#13の理由 を見た。本当に心が痛い

失うことへの恐怖

本の虫継続中です。
昨日までに読んだ本は・・・

手紙(東野圭吾)

秘密(東野圭吾)

この作家のすごい所は、ある人物の視点のみを描くことにより、もう一人の人物
の心情を読者に読み取らせる文体にあると思う。
まだ冊数読んでいないので、あまり大きなことを言うとコアなファンの人から
お叱りを受けるかもしれないけれど、今年読んだ数冊は全てそれが当てはまると
思う。

つまり、読者に解釈をドカっと委ねてしまうので、それを読む人の置かれた状況
により、当然間接的に語られる人物の心をどう読むかは人それぞれ全く違うもの
になるんだと思う。

そして、今年、その行間から受けるメッセージがどうも私のツボに入った様で、
次から次へと読み漁っている訳なのだが・・・。そのツボってのが、失うこと
への恐怖・・・。

今年の始め頃、取引先の社長さんが急死した。まだ45歳。二十歳と高校生の子が
いるお父さん。全く持病の話とかを聞いたことが無いので、本当の突然死だった
みたい。
人間なんて、そう簡単に死ぬもんじゃぁない、と言う変な持論を持っていたの
だけれども、どうもその出来事以来、実はいつ死ぬかわからない、って思いが
心の中にずっとあって、どうそれを消化しようか・・・って思っていた所に
この作家との出逢いがあったって訳で。

今私にとって一番怖いことは、家族を失うこと。物理的な死や別れだけでなく
心が離れて行ってしまうこと。それと同時に家族がそういう思いを味わうこと。

子供を持つ前は、自分の人生は、自分が精一杯生きればいいや、みたいな所が
あって、正直それほど喪失への恐怖は無かった様な気がする。

ただ、子供を持ってからは明らかにそれは変わって来たと思う。守るべきもの
が出来た以上、私は死ねない。何があっても、生きなければならないと思う。
旦那も同じ思いだと思う。自分のためではなく、子供達を育て上げるまでは、
絶対に死ねない。断言できる。何があっても、私は生に執着すると思う。

だからこそ、失うことにここまで怯えるのかもしれない・・・。

「手紙」では、弟を守ろうとして犯罪を犯す兄、そして、結果として兄は弟
を失い、弟は兄を捨てる。
「秘密」では、事故で娘を失い、その後、妻までも失っていく。

二つの小説は、しかもじわじわと家族を失っていくことの恐ろしさ、むなしさ、
悲しさがテーマとなって、その反面で決して切る事の出来ない、良くも悪くも
家族の繋がりの強さを見事に描いていたと思う。

夫婦、そして、親子、兄弟。なんと複雑で、やっかいなものか。
それでいて、なんと素晴らしいものか。

私は子供達を守りきれるだろうか。それ以前に、子供達を失うことなく、きちんと
育て上げられるだろうか・・・。

子供にとって理不尽なふるまいをしている母親を子供達はいつまで許し続けて
くれるだろうか・・・。

私は子供達の大切な何かを奪っていないだろうか・・・。

親は子供に与えることはしても、子供から何かを奪ってはいけないに決まってる。
私は大丈夫だろうか・・・。

本に引きずられて、かなり↓へ↓へ来ております・・・。




コメント